村爺のちょっといいはなし

〔田舎住い27 、五重の塔解体 〕

  室生村にある近鉄の駅は“室生口大野“と言います。
山の中にある室生寺に通じるのと、もう1つ直ぐ駅の下にある大野寺からの名称です。川を隔てて寺の反対側には見上げるような岩肌に弥勒磨崖仏が彫られています。もう数年前ですが表面が風化して来たので高く足場を組み、保護する塗料で保存の作業をしておられました。大野寺は春の桜の頃は枝垂れ桜が美しいので朝早くから 1 日中、立派なカメラをお持ちの方々で普段ひっそりしているお寺が賑わいます。
大野寺の境内も多くの花が植えられていて好きな方には余り広くはない境内ですが楽しめます。入り口に一応有料の入場料入れの箱が置いて有ります。大きな寺院と違い日々の参拝客はしれていますが、春の桜のシーズンは多くの方がお参りに成ります。(入り口に誰も居られないので忘れる?人も多いかも知れませんが)でもこの美しい枝垂れ桜はお寺に入らなくても見られるので、参拝せずに室生寺へ向う人も多いようです。
 
 室生寺の花は春の石楠花ですが秋の紅葉も多くの人が来られます。最近西名阪から小倉ICに来て広域農道(こんな立派な道に農道とは道が可哀相です)で嘘のように室生寺に着きます。 以前は R 165から室生川沿いに南に走り室生寺に行くのですが、バスが来れば離合出来ずに大渋滞です。ゆっくり走っても10数分も掛らない道が時間単位になり、“もう2度と行かない”と友人が言っていましたが今、は完全に解消しています。でも花の見頃はどうでしょうか。(私は家内と余り人の来られない合いの日に、山菜の定食食べに行く位いですから、何時も空いています)

室生寺と大野寺はどちらも本尊は弥勒菩薩だそうですが、どこのお寺に行っても薬師如来や釈迦如来、何々如来と仏様が居られます。キリスト教は良くは知りませんがキリスト像が1体有るだけの様に思いますが、佛教は仏様の数と言いそれをお祭りするお堂の立派さには心を奪われます。今自分の住んでいる家との違いに、坪単価にすると高いものだろうなーと、貧乏人の心が表に出てきます。
そんな事を日頃思いながらお寺の建物を外から眺めていましたが、H12年秋頃に村役場から“村人に室生寺の解体作業が終了し、塔もほぼ完成した事で見せます”とお達しが有りました。

凄い手間ひま掛けた千数百年前の骨組みの状態で文化財に接せられる事でも有り、直ぐに申し込み家内と参加しました。丁度公開が終われば足場が徹去されると言う事で、数日の間ですが順次日を決め見せて頂けました。
平成10年の9月22日午後に通過した台風は、奈良の人々には余り経験の無い大きくも無いだろうと油断?していた台風の通過で大きな被害が出ました。中でも村の象徴でも有る室生寺に大きな被害が皆様を驚かせました。大木が倒れ受け止めたような形で壊れた室生寺の五重の塔ですが、世間に言われる京都の東寺や奈良の興福寺を見慣れた目には3分の1の大きさで高さは 16 mほどですが、見た目にその様に思わせない高さの石の階段が前に有りますから、下から見上げると小さくは感じず何かより美しい気品のある塔に見えます。
他所の五重の塔は境内の広場に立ちますから塔その物の立派さを感じますが、室生寺の五重の塔は長い石段の上に有り、しかも廻りを囲む様に大きな檜や杉の木立の中に有ります。その為に太陽の光が当たらない部分と赤い色採りの塔と白い縁取りが大木の緑により、ここでしか見られない美しさを演出しています。整理券で入場すると塔の周りは足場が組まれて見学者が落ちないようにシートも巻いて有ります。その塔の足元には仏様の入られる小さな部屋も有りました。

そして塔は美しい彩りに塗られています。皆さんに続き最上階の屋根まで登ります。(続く)


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