村爺のちょっといいはなし

〔田舎住い23 、乗り越し 〕

JR の長距離列車は別として、何処の郊外電車の路線でも同じでしょうか、関空行きの南海は別ですが近鉄では特急電車と言う他の電鉄の路線ではお金が要らないのに、この会社は別料金が必要なシステムです。そこで帰宅時間が特急電車に合えば特急券を購入しそこで定期を改札で通すと、次は構内の売店に直行し缶ビールや缶チューハイ・ワンカップ何々と竹輪やオツマミを購入、お姐さんや、お嬢さんにビニールの袋に入れて貰い特急に乗車されます。

全席指定席ですから座ればもうマイホームの何時もの自分の席です。ですから直ぐに一杯ヤレル気分が生まれます。 1 日の疲れが特急料金と売店の代金で 2000 円前後もあれば距離の近い方で 30 分、通勤圏の名張辺りでも 1 時間をスポーツ新聞と好きなお酒、そして1両2億円もする車両での快適なソファーやエアコンでご満悦で御帰還です。お好きな方は窓ガラスの所に数本かロングの缶ビール並べて居られます。売店もその様な方の為に色々とおつまみを前に並べて、お客さんがどうしても買わずに素通り出来ない環境にして有ります。最近は女性の方もいかにも美味しそうに飲んで居られます。1日の仕事を片付け何故かホッとする時間でも有ります。

お酒もおつまみも手に入れて、指定席のふかふかした上質の椅子に座れる特急のお客さんは天国ですが、上本町とか難波の駅で特急の発車する迄に、同じホームから発車する次の電車に乗車するお客さんがその窓側に並びます。特急は乗降口は1っか2っですから、4っも5っも扉の有る電車にお待ちのお客さんは、もろに特急のお客さんの前に並びます。その方たちは急行とか準急とか、缶ビール持参のお客さんでは有りませんから、本当に酷な環境になります。

一刻も早く帰り一杯やりたい人が殆どだと思いますが、そこはジッと我慢の子です。立って待つのも足が疲れます。それにしてもガラス1枚隔てて不思議な世界が10数分間存在します。それも日に何回と無く発車する特急と、年中休みも無い365日間繰り返されています。こんな事はJRも含めて他の会社路線でも有るのでしょう。でも通勤する電車が別料金での指定席だけに、他社路線に無い特別に安らぎがもたらされている事は間違いは有りません。

私は何故か、昔から牛乳が好きでこんな時にはコーヒー牛乳を購入して乗りました。 160 円でしたか大きめの入れ物に入っていました。そこそこのオヤジが牛乳飲んでいる姿をホームから見ている人には、“もつとエエモン飲んだら良いのに“と馬鹿にされていたかも判りません。

近鉄の路線は関西の私鉄の中でも路線が長く3県に跨り運営されていますから、うっかり美味しいお酒にウトウトして、継ぎ目の無くなった最近の線路と快適な車両とで熟睡でもしようなら大変です。気持ちが良い分だけ遠くまで断わりも無く連れて行ってくれます。そんな事で途中の駅で気付かずに名古屋近辺や、心に準備も無いのに夜中にお伊勢参りする破目になります。

そこまで行かなくても遥か遠くで気が付いても帰りの電車も無く、駅で過ごして朝1番の電車でご帰還の方や、思わぬ夜中にヨッパライ亭主とのドライブした奥さん方が沢山居られます。
私の降りる駅は大阪から急行では1時間程ですが、私は大概名張駅で気が付いています。寒い冬が鬼門です。“もう次やなー“と思いながらポカポカ温かいシートに睡魔が襲い、降りるべき駅で最高に寝込んでしまい、次の駅で多くのお客さんの降りられる雰囲気と車内に入る冷気で目が覚めます。誰かに見ていられなかったか恥かしい思いをしながら、改札口に行く流れに反して、誰も居らない反対側のホームに向います。以前、1度改札の人と話しますと、何かハンを押してくれました。お酒飲んで特急に乗り熟睡してしまい遠く迄寝てしまった人では四日市までの方の話を聞きました。
駅員さんに聞いて駅前の宿屋に素泊まりしたそうです。毎日の様に私だけではない遠距離・中距離通勤の乗客の落とし穴は、美味しいお酒と心地よい車両が要注意です。

                                      (続く)


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