第二回 アンテナの語源は、カタツムリの角 

 無線通信に使われているアンテナは、人目に付くところに設置されていることが多いのですが、 技術が進み電波の利用が多くなり、通信方式によってアンテナの形もさまざまなものが出てきました。ちなみにアンテナは日本語では空中線と呼びますが、生活の中では「ラジオのアンテナ」というような呼び方をしていますね。アンテナはラテン語の「昆虫の触角」から名付けられたそうですが、英和辞典では「カタツムリの角」ともあります。そんなことを思い浮かべながらFMラジオや小型テレビを見ていますと、上についているロッドアンテナがまさにその形をしています。
 1901年、イタリアのマルコニーが初めて大西洋横断通信に成功したときに、アンテナという名前がつけられているとすると、今では想像もできないくらいの、長くて大きい電力会社の電柱群のようなものがアンテナと呼ばれていたことになります。
タイタニック号の長波用空中線
出典『CQham radio』1999,Aug,CQ出版社

 先日もテレビで「タイタニック」の映画を放送していましたが、この船には当時の最新型のマルコニ社製無線機が搭載されており、専属の通信士も乗り込んでいました。1911年の進水から1年後に華々しく出航するのですが、ご存じのように事故時のSOSを受信した船が遠くて、救援活動をしたときは救命ボート以外の人は助けられず、1,500人以上の乗客が亡くなられたのです。無線通信が発明されて10年ほどで船舶から通信できることは、当時としては大変な出来事ではあったのですが、十分普及しなかったことやモールス符号のみの交信で技術者が不足していたという事実もあったようです。ですから、せっかく近くに船が航行していながら、通信士が休憩時間でSOSをキャッチしてもらえなかった、という悲喜劇のような事も起こりました。
 携帯電話の基地局のアンテナは、鉄塔もしくはビルの屋上に設置されています。1本で3〜5km360度のエリアをカバーするのではなく、120度づつに分けて3倍の容量を持たせるように3方向に向けて設置されています。1本のアンテナのように見える丸いFRP製の筒の中には、高感度を維持するために2から12のアンテナを並列につないであり、軽くて耐風力があるアンテナとして電波を送ったり受けたりしています。
 携帯電話には引き伸ばし式の伸縮アンテナが付けられていますが、時々アンテナを外している方がおられ「これでも通信は可能」と言われます。これは、見えない内部のアンテナが取り付けてあるから。このアンテナは外部のアンテナと比較して、受信電波の強いほうに切り替えて最良の受信状態を保つ働きをしています。ですから、外部のアンテナを外すことは、良い受信状態に切り替えることが出来なくなってしまうのです。
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